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人気サックス奏者スタン・ゲッツの完全未発表ライヴ音源が、録音から58年の時を経て、いよいよ6月14日に世界同時リリース!

ジャズ・ジャイアンツの未発表音源を次々に発表しているレゾナンス・レコードと、ヴァーヴ・レーベルとの共同プロジェクト。
レゾナンスのキーパーソンである現代の発掘王ゼヴ・フェルドマンも、「ゲッツ最高のアルバムといっても過言ではない!」
と太鼓判押す強力作の魅力をいち早くご紹介!
 



 スタン・ゲッツの完全未発表ライヴ音源が発掘された。1961年というのが興味深い。チャーリー・バードと組んだ初のボサノヴァ・アルバム『ジャズ・サンバ』を録音する前年のことである。50年代後半のゲッツは、ノーマン・グランツが主宰するオールスターズによるコンサートJ.A.T.P(Jazz At The Philharmonic)に参加し、J.J.ジョンソンとのコンビなどでスリリングなプレイを繰り広げていた。58年J.A.T.P.のツアーで渡欧。そのまま居残りヨーロッパを中心に活動を続けていく。帰米したのは、3年後の61年1月だった。


ⒸBob Parent

 この年のゲッツの録音として知られているのは、ベニー・グッドマン楽団で編曲を担当していた鬼才エディ・ソーターと組んだ異色のストリングス作品『焦点』(7月14日録音)と、かつての相棒ボブ・ブルックマイヤーと共演した『スタン・ゲッツ&ボブ・ブルックマイヤー』(9月12&13日録音)である。ディスコグラフィーを追うと、他に2月と7月にレコーディングの記録があり、その中の数曲はベスト・アルバムなどに収録されている(残りは未発表)。しかし今回発売される11月のライヴ音源はそれらとは異なる新発見で、当時のスタン・ゲッツ・カルテットの勢いを知ることができる大変貴重なものである。
 本CDの原盤ライナーが、このカルテットの経緯について記述しているので、参考にしながら紹介したい。きっかけを作ったのは名ベーシストのスコット・ラファロだ。ゲッツは帰国に際しラファロに連絡を取る。2人はかつて『スタン・ゲッツ~カル・ジェイダー・セクステット』(58年/Fantasy)で共演した仲だった。ラファロがスティーヴ・キューン、ピート・ラロカ(後にロイ・ヘインズに変更)に声をかけ、ゲッツ・カルテットの陣容が決まる。しかし7月6日にラファロが自動車事故で他界。後任にはジョン・ネヴェスが選ばれた。キューン~ネヴェス~ヘインズは、前述の『スタン・ゲッツ&ボブ・ブルックマイヤー』でもリズム・セクションを担当している。


ⒸBob Parent

 本作の音源は、ニューヨークのジャズ・クラブ“ヴィレッジ・ゲイト”でクリス・コナーとレス・マッキャン・グループを含む公演(トリプル・ビル)の最終日のセットからのもので、オンリー・ワンの天才インプロヴァイザーが放つ色彩豊かなフレーズを堪能できる。アップ・テンポ・ナンバーでは、「エアジン」の躍動感が素晴らしい。ヘインズのスリリングなドラミングも絶妙だ。一方パセティックなバラード「ホエア・ドゥ・ユー・ゴー?」では、クール・ジャズの帝王の本領を発揮。そのミステリアスな美しさに息を呑む。

 残念ながらこのバンドは、この年の終わりに解散してしまう。翌年の『ジャズ・サンバ』の大成功により、ゲッツは次々とボサノヴァ・アルバムを吹き込んでいく。
(津下佳子)
*文中に記載がないアルバムは全てVerve音源。


■リリース情報
スタン・ゲッツ
『ゲッツ・アット・ザ・ゲイト』

2019. 6. 14 ON SALE
2CD:UCCV-1175/6 (日本盤UHQ-CD仕様) \3,456 (tax in)


CD 1
1. アナウンスメント by チップ・マンク
Announcement by Chip Monck 0:26
2. イッツ・オールライト・ウィズ・ミー
It’s Alright With Me (Cole Porter) 7:49
3. ワイルドウッド
Wildwood (Gigi Gryce) 9:20
4. ホエン・ザ・サン・カムズ・アウト
When The Sun Comes Out (Harold Arlen/Ted Koehler) 6:28
5. インプレッションズ (ピアノ・トリオ)
Impressions (John Coltrane) 12:01
6. エアジン
Airegin (Sonny Rollins) 8:35
7. ライク・サムワン・イン・ラヴ
Like Someone In Love (Jimmy Van Heusen/Johnny Burke) 9:45
8. ウディン・ユー
Woody ’N You (Dizzy Gillespie) 8:29
9. ブルース
Blues (Stan Getz) 10:23

CD 2
1. ホエア・ドゥ・ユー・ゴー?
Where Do You Go? (Alec Wilder/Arnold Sundgaard) 5:02
2. イエスタデイズ・ガーデニアス
Yesterday’s Gardenias (Dick Robertson) 8:19
3. 星影のステラ
Stella By Starlight (Victor Young/Ned Washington) 7:25
4. イッツ・ユー・オア・ノー・ワン
It’s You Or No One (Jule Styne/Sammy Cahn) 8:52
5. スプリング・キャン・リアリー・ハング・ユー・アップ・ザ・モスト
Spring Can Really Hang You Up The Most
(Tommy Wolf/Fran Landesman) 6:58
6. 52丁目のテーマ
52nd Street Theme (Thelonious Monk) 14:18
7. ジャンピン・ウィズ・シンフォニー・シッド
Jumpin’ With Symphony Sid (Lester Young) 14:58

<パーソネル> スタン・ゲッツ(ts) スティーヴ・キューン(p) ジョン・ネヴェス(b) ロイ・ヘインズ(ds)
★1961年11月26日、ニューヨーク、ヴィレッジ・ゲイトにてライヴ録音

Produced for Release by RICHARD SEIDEL, ZEV FELDMAN and KEN DRUKER
Mastering Engineer: SETH FOSTER

https://store.universal-music.co.jp/product/uccv1175/