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Blue Note Club独占記事:高岩遼、敬愛するナット・キング・コールについてコメント掲載。

 


レイ・チャールズの、まだ若い頃のテイクを聴けばナット・コールが見えてくる。当時、レイ・チャールズは「キングのモノマネ巡業」にて日銭を稼いでいた。我がチャールズ皇太子もまた、ナット・コールの玉座に憧れていたんだ。Georgia On My Mind も手掛けたホーギー・カーマイケルの作曲で、ナットが残した不滅のスタンダード《スターダスト》には、僕も例に同じく涙をちょちょ切らされた青春の覚えがある。ヴァースの大切さを教わった。

ナット・''キング''・コール。絶対的なジャズ・ピアニストであり、ジャズ・ヴォーカリスト。町酒場に留まることなく、マスを動かし、アメリカン・ポップス産業を動かした大スターだっ。

ピアニストとしての技術については専門家にお願いするとして、とりあえず《ルート66》や《スウィート・ロレイン》など、ナット・キング・コール・トリオ名義をチェックなのである。ここでは歌い手としての見解を少し述べておきたい。

アフリカン・アメリカンの男性ジャズ歌手といえば、21曲目の《イパネマの娘》で時を超えて小粋なデュエットを披露してくれたグレゴリー・ポーターのようなブルースやソウルを感じさせるヴォーカル・スタイルや、はたまたジョー・ウィリアムズのようなスモーキーなバリトン〜バス声で聞かせる燻らしスタイルなどなど、彼らの人種の歴史と尊厳に実に背合わせな歌声と技術で、今日まで我々の自信を削いできてくれた。

対してナットはトレンディだった。僕もよく歌うスタンダード《君を想いて》のように、フェイクや発音に一切のクセ無し。包み見込まれる優しさ、そして極上のエレガンス・・・。これは、シナトラのデビュー当時によく似ている。クラシックなビブラートやダイナミクスを封印した、まるでハミングのような一歩引いた都会的な歌唱法。一見「真似できるか?」とチャレンジしがちだが、瞬く間に挫折が待っている。全ての技術が詰め込まれたソレなのだ。う〜ん。

ナット・コールが生まれて100年目のベスト・アルバムがここに誕生した。今、ここ渋谷で、開発が進むビルの間でイヤホン越しに《スマイル》を聴いたって、永遠とニヤニヤが止まらない。おっと、周りが変な目で僕を見ているので、この辺で。

ありがとう、キング。敬意を表して。


高岩遼   

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生誕100周年記念ベスト・アルバム
『ナットキングコールの世界』 

NOW ON SALE  UCCU-1604 ¥2,268 (tax in)


<収録曲>
1. ルート66
2. ストレイトン・アップ・アンド・フライ・ライト
3. フォー・センチメンタル・リーズンズ
4. スウィート・ロレイン
5. アンフォゲッタブル
6. 歩いて帰ろう
7. モナ・リザ
8. プリテンド
9. キサス・キサス・キサス
10. ラヴ・ミー・アズ・ゾウ・ゼア・ワー・ノー・トゥモロー
11. スターダスト
12. オレンジ色の空
13. 恋に落ちた時
14. 君を想いて
15. パーフィディア
16. レット・ゼア・ビー・ラヴ
17. 暑い夏をぶっ飛ばせ
18. ラヴ
19. スマイル
20. ネイチャー・ボーイ
21. イパネマの娘 (withグレゴリー・ポーター)

ユニバーサルミュージック・サイト
https://www.universal-music.co.jp/nat-king-cole/