COLUMN/INTERVIEW

香港No. 1に輝いたクール・ビューティーな歌姫Moon、最新作『Tenderly』 独占インタビュー(後編)



インタビュー・文/佐藤英輔

 ニュー・アルバム『Tenderly』で求めたものを、Moonは次のように語る。
「うまくいったファーストの流れを酌んだものにしたいというのがありました。だから、ここにはジャズのスタンダードもあればポップス曲もありますし、もちろんそれらは私の好きな曲ですね。それに加えて、新たな面も出したいとも思いました。かつての曲でも今の曲を聴いているような気持ちにさせる、モダンな手触りを求めました」
 なるほど、その“新しい面”と言うのは、よく分かる。伊藤ゴローの人脈による、今のジャズの新生面を出すのに長けた気鋭の日本人ミュージシャンたちが録音に参加し、独創的な音を編み込んでいる。ミュンヘン在住のECMレコーディング・アーティストである福盛進也の参加もトピックと言えるだろう。その透明感と越境感覚に満ちたサウンドのもと、臆する事なく伸びやかな歌声を悠々と泳がせる彼女にも驚かされる。
「確かに難しいコードやテクスチャーがあったりもします。でも、原曲の持つフィーリングを大きく崩したくはないと思いましたし、その辺は伊藤さんはうまくやってくれましたね。自然にあるべきものという感じのサウンドで、私は思うまま歌う事ができました」
 そして、その様は、<楽曲に水を与え、育てている>という形容もしたくなるか。
「ヴォーカルのテクニック的にはそれぞれの曲でここの部分がキリング・ポイントという部分があり、気付いていただけたら嬉しいです。選曲においては、8曲目の「ウェイク・ミー・アップ・ホウェン・セプテンバー・エンズ」(グリーン・デイの2005年曲)を入れた事に皆さん驚きを持っているようで、この曲を入れて良かったと思っています。いい歌詞といいメロディを持つ曲ですが、ロックであることで叙情的な歌詞が埋もれてしまいがちかもしれません。それをジャズ・ミュージシャンが表現するとこうなりますよと提示し、この曲の良さが見えてきたのではないかと思っています」
 Moonは、ジャズ・ヴォーカリストであるという自負を抱えている。私の考える、私のジャズの形と歌唱がここにまた一つ形になっている。


■リリース情報
Moon
『Tenderly』

2019.7.10 ON SALE
CD: UCCJ-2168  \3,240 (tax in)

【収録曲】
01. ホワット・キャン・アイ・ドゥ (ザ・コアーズ)
02. スワンダフル (ジャズ・スタンダード)
03. テンダリー (ジャズ・スタンダード)
04. ラヴィン・ユー (ミニー・リパートン)
05. ビー・トゥルー・トゥ・ミー (ドリス・デイ)
06. レディ・ウォンツ・トゥ・ノウ (マイケル・フランクス)
07. ウォーク・オン・バイ (バート・バカラック)
08. ウェイク・ミー・アップ・ホウェン・セプテンバー・エンズ (グリーン・デイ)
09. 私を愛したスパイ (カーリー・サイモン)
10. ゾーズ・スウィート・ワーズ (ノラ・ジョーンズ)

 



<参加ミュージシャン>
Moon - vocals
伊藤ゴロー - guitars, programming
佐藤浩一 - piano
鳥越啓介 - bass
福盛進也 - drums
with
伊藤 彩ストリングカルテット
小川慶太 - percussion
鈴木 圭 – flute, bass clarinet, soprano saxophone
Produced by 伊藤ゴロー


CDご購入
https://store.universal-music.co.jp/product/uccj2168/

Universal Music Moonアーティスト・ページ
https://www.universal-music.co.jp/moon/

Moon公式サイト http://www.universal-music.co.jp/moon/
Moon公式インスタグラム https://www.instagram.com/haewononthemoon/


『Tenderly』発売記念ライヴ
2019年8月16日(金) モーションブルー横浜
open_4:30pm / showtime_6:00pm
MEMBER: Moon(vo)、伊藤ゴロー(g)、佐藤浩一(p)、鳥越啓介(b)、福盛進也(ds)
http://www.motionblue.co.jp/artists/moon/