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英国モダン・ジャズ界が生んだ最高のハード・バップ・サックス奏者、タビー・ヘイズの完全未発表アルバムが、半世紀の時を経て奇跡の発掘!6月26日に世界同時リリース。


©Simon Spillett



イギリスのハード・バップ界を代表するテナー・サックス奏者だったダビー・ヘイズがのこしていた貴重な未発表演奏のテープが発掘されて、半世紀の時を経て陽の目をみることになった。バップ~ファンキー・ジャズが一世を風靡していた1950~60年代に、アメリカのトップ・クラスのミュージシャンと比べても優るとも劣らない実力を発揮し、エネルギー感あふれるプレイを繰りひろげていったのがタビー・ヘイズだった。そのことを裏づけるように、タビーは58年から68年までの11年間にもわたってイギリス、メロディー・メーカー誌でテナー・サックス部門のNo.1の地位を独走して、名実ともに実力を広くアピールしていったのである。
 タビー・ヘイズはTempoやFontanaといったレーベルに、それぞれ数枚以上のリーダー作品を吹き込んでいるが、そんな中にあっても本テープの発掘は、さまざまな点で大きな意義をもっていると思われる。まず、これらの演奏がフォンタナ・レーベルのためにおこなわれた正規のスタジオ録音であるという点。タビーの演奏は放送録音やライブものが発掘されたりしているものの、ロンドンのフィリップス・スタジオで吹き込まれた本セッションは、何よりもアルバムとしてリリースすることを前提におこなわれたものだ。さらに、これらの演奏がタビーにとっての晩年のものである点。タビー・ヘイズは1973年に38才という若さで亡くなってしまっているので、データ的に見ると、もっとも後期のセッションということになる。タビーのレギュラー・バンドによるワン・ホーン・カルテットによる演奏であるというのも、彼の魅力を味わうには格好のものと言うことができるだろう。
 タビー・ヘイズの演奏はテナーの音色そのものが、じつにいい。ハード・バップの王道をゆくような演奏スタイルで、リズムに良く乗って豪快に楽器を吹き鳴らすところから、力強いグルーヴが生み出されてゆく。そんなタビーの魅力は一曲目のオリジナル<フォー・メンバーズ・オンリー>から全開! ソニー・ロリンズなどの影響をダイレクトに感じさせる大らかな節回しが、とても素晴らしい。アルバムのタイトル曲<グリッツ、ビーンズ・アンド・グリーンズ>に聴かれる冒険心。バド・パウエルの“ウン・ポコ・ロコ”からインスピレイションを得たと思われるオリジナル曲<ランパス>(大騒ぎ)でも、タビーの強烈なバップ・スピリットが十二分に発散されてゆく。あらためてタビー・ヘイズの実力を認識するとともに、イギリスのジャズ界で大いに気を吐いていた彼のプレイに胸が熱くなる快演の発掘である。

       

                        岡崎 正通



■リリース情報
タビー・ヘイズ・カルテット
『ザ・ロスト・セッション1969』

2019. 7. 26 ON SALE 
SHM-CD:UCCM-1255 \2,160 (tax in) Fontana/Decca

1. フォー・メンバーズ・オンリー
 For Members Only (Tubby Hayes) [6.26]
2. グリッツ、ビーンズ・アンド・グリーンズ
 Grits, Beans and Greens (Tubby Hayes) [6.09]
3. ランパス
 Rumpus (Tubby Hayes) [7.30]
4. ユー・ノウ・アイ・ケア
 You Know I Care (Duke Pearson) [07:06]
5. ホエア・アム・アイ・ゴーイング?
 Where Am I Going? (Cy Coleman) [9.16]

<パーソネル>
タビー・ヘイズ(ts)
マイク・パイン(p)
ロン・マシューソン(b)
スパイク・ウェルズ(ds)
★1969年6月24日、ロンドン、フィリップス・スタジオにて録音

Producer: Terry Brown Engineer: David Voyde

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