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【インタビュー】 ハービー・ハンコックやウィントン・マルサリスが絶賛する稀代の才能!2020年、大注目ピアニスト、ジョーイ・アレキサンダーの魅力に迫る



インタビュー:原田和典

ここ数年、ジャズ界で注目を集め続けている1人のピアニストがいる。バリ島出身のジョーイ・アレキサンダー、16歳である。
6歳の時に独学でピアノをはじめ、2年後本格的なレッスンを受けるためにジャカルタに移り住むと、ユネスコ大使としてインドネシアを訪れていたハービー・ハンコックに絶賛され、2014年、ジャズを極めることを決意した彼は、ついにニューヨークに移り住む。すると早速、翌年の2015年にリリースした1stアルバム『My Favorite Things』が、12歳というジャズ部門最年少でグラミー賞にノミネートされたことが発表され、ジャズ界のみならず音楽シーンに衝撃をもたらした。そして、16歳になった現在、彼は計3つのグラミー・ノミネーションを経験し、2019年にはカーネギーホールでの公演も成功させ、ジャズ・ピアニストとして猛スピードで名を広げている。

そんな、名実ともに、ジャズ・ピアノ界の新スターとして存在感を強めている彼が、ついに2020年、名門レーベル、ヴァーヴからメジャー・デビューすることが発表された。メジャー1作目となるアルバム『ワルナ』は、現在のジャズ・シーンをけん引するラリー・グレナディア(ベース)とケンドリック・スコット(ドラムス)という豪華な2人が脇を固めるピアノ・トリオ作品となっており、「神童」という言葉を脱ぎ捨て、1人の作曲家、そしてバンドリーダーとしても成長した彼のすべてが詰まった2020年、最も注目すべきアルバムだ。

ハービー・ハンコックに見初められ、ウィントン・マルサリスに「彼は言葉で説明できるような人じゃない」と言わしめ、クインシー・ジョーンズに「僕が夢として抱いていた理想を具現化した人だ」と絶賛される彼のアーティストとしての魅力を解き明かすべく、インタビューを行った。


写真:ルディ・ヴァン・ゲルダー・レコーディングスタジオで、愛犬のディーゼルと。
 

―― 名門レーベル“ヴァーヴ”から待望のメジャー・デビュー
ジョーイ:前作『Eclipse』をヴァーヴのスタッフが聴いてくれたんだ。去年(2018年)会って話しあった末に、僕をアーティストとして迎えたいと言ってくれた。自分の新しい音楽、新しい曲をこのアルバムで届けられること、それをヴァーヴにバックアップしてもらえることをとても嬉しく思っているし、責任も重大だ。より良い音楽を作っていかねばならないからね。素晴らしいミュージシャンを迎えることができてとてもハッピーだよ。

―― ニュー・アルバム『ワルナ』に込めたもの
ジョーイ:タイトルはインドネシア語で「色」という意味なんだ。テーマがあるとしたら、「空気」と「火」かな。フルートは空気のような「穏やかさ」を表しているし、パーカッションは火のような「リズム」だ。希望や喜びや勇気をもたらす音楽、それがこのアルバムにこめられている。素晴らしいミュージシャンたちとのツアーで僕が経験したこと、それぞれのサウンドやスタイルが、いかに音楽に「色」をもたらしてくれたか…。(そして忙しいツアーの合間に)家族や友人たちと過ごせる特別な時間に感謝したいというのもあった。例えば「ダウンタイム」という曲には、ステージを降りたオフの時間、家族や友人と過ごす特別な時間を楽しみ、大切にする、という思いがある。そして「ロンリー・ストリート」はNYのアップステートにある家から離れ、ツアー先で訪れた小さな町がインスピレーションになった曲。僕は常に曲を書いているタイプじゃなくて、オフの時にインスピレーションが突然やってくる。

―― 参加メンバーについて
ジョーイ:ベースはラリー・グレナディア。彼とはファースト・アルバムでも共演したね。ちょっと久しぶりだったけど、相変わらずマジカルだった。ラリーは音楽にリリシズムをもたらしてくれる。彼のサウンドはまさに僕が必要としているものなんだ。ケンドリック・スコットは、恐らく最もダイナミックなドラマーの一人だよ。そしてタイムキープがすごい。繊細さとパワフルさを両方持ち合わせているんだ。さらに、新しい要素としてルイシート・キンテーロのパーカッションやアン・ドラモンドのフルートも加わっている。かなりクールなバンドだよ! 

―― スティングの「フラジャイル」もカヴァー
ジョーイ:クロスジャンルなことがしたかった。ちょっと昔の曲で、誰が聴いても楽しめる曲はないかなと思った時、スティングが最適だと思ったんだ。彼の書く曲、音楽が大好きだ。少しだけ、僕なりの解釈でアレンジしただけで、原曲に忠実に取り組んだ。そのままで十分に名曲だからね。

―― 影響を受けたミュージシャン
ジョーイ:むしろピアニストより他の楽器のプレイヤーだね。アレサ・フランクリンの歌うゴスペルだったり、賛美歌とかを聞くのも大好きだ。マイケル・ジャクソンみたいなポップスも、クラシックもロックも…。そういったいろいろな音楽が僕に今、こういうことをさせてくれているんだ。

―― ハービー・ハンコックやウィントン・マルサリスも賞賛
ジョーイ:嬉しいなんてもんじゃないよ! 言葉にならないくらいの衝撃だった。ウィントンとのピアニストのプロジェクト(「Handful of Keys」のこと)に参加させてもらえたこと喜びだった。二人から学んだのは、ミュージシャンシップ。僕をいっぱい勇気づけてくれた。どんな時も自分らしく前に進め、といつも彼らは僕の背中を押してくれる。「君はこうしなきゃならない」とか言われたことは一切ない。それよりは、どう自分で考えてやっていくかが大切なんだ。それを二人からは学んだよ。

―― 故郷のインドネシア(バリ)と、現在の拠点ニューヨークについて
ジョーイ:バリは遠いけど、いつも帰りたい場所だよ。人も大好きだし。僕が育ったのは都市から離れたところで、水田もあった。それはニューヨークにはないね(笑)。でもニューヨークに住んでいることで、いろんなミュージシャンと出会える。それはとてもありがたい。ニューヨークっていう街自体が刺激なんだ。ミュージシャンとしてもっとうまくなりたい、って背中を押されるような気分になる。

―― ジャズ・ファンへのメッセージ 
ジョーイ:僕が言いたいのは一つ。ジャズがなかったら、僕は何をしていいかわからない。僕がベストでいられる唯一のことなんだ、ジャズが。2月に出るアルバム『ワルナ』の音楽をぜひみんなとシェアしたい。また日本に戻って演奏したいよ!

『ワルナ』の日本盤は2月5日(水)リリース。ボーナス・トラックとして「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」の収録が決定している。すでに、先行トラックとして「ダウンタイム」とタイトル曲「ワルナ」が公開されており、アルバム発売より一足早く、彼の音楽を聴くことができる。


「ダウンタイム」オーディオ・ビデオ




「ワルナ」MV

 
 

【国内盤リリース】

ジョーイ・アレキサンダー『ワルナ』
リリース:2020年2月5日
品番:UCCV-1179
価格:2860円(税込)
https://jazz.lnk.to/WARNANL

収録曲
1.    ワルナ /  Warna
2.    モザイク・オブ・ビューティー /  Mosaic(of Beauty)
3.    ロンリー・ストリート / Lonely Streets
4.    ダウンタイム / Downtime
5.    アファメーションI  / Affirmation I
6.    インナー・アージ / Inner Urge
    (Written by ジョー・ヘンダーソン)
7.    ウィー・ヒア / We Here
8.    ティズ・アワー・プレイヤー / Tis Our Prayer
9.    フラジャイル / Fragile 
(Written by ゴードン・サムナー)
10.    アワー・ストーリー / Our Story
11.    アファメーションIII  / Affirmation III
12.    ザ・ライト / The Light
13.    マイ・ファニー・ヴァレンタイン / My Funny Valentine *国内盤ボーナス・トラック
(Written by ロレンツ・ハート、リチャード・ロジャース)

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