PICK UP

ホセ・ジェイムズ『ブラックマジック』10周年記念盤 独占インタビュー

取材・文:BLUE NOTE CLUB編集部
Photo by Hassan Hajjaj


現代ジャズ・シーンの最先端を走るヴォーカリスト、ホセ・ジェイムズ。2010年にリリースされた彼のセカンド・アルバム『ブラックマジック』が発売10周年を記念し、ボーナス・トラックを追加し新装ジャケットで、ホセ自身のレーベル「レインボー・ブロンド」からリイシューされた。
オリジナル版は、デビュー作『ザ・ドリーマー』に続き、ホセの才能に惚れ込んだジャイルス・ピーターソンのレーベル「ブラウンズウッド・レコーディングス」からのリリース。フライング・ロータス、ムーディーマン、テイラー・マクファーリン、そして日本からDJ MITSU THE BEATSと、世界的ビート・メイカーが参加した、新世代のジャズ・ヴォーカル作品として話題を集めた。
この作品がホセ自身にとってどんな意味を持っているのか。BLUE NOTE CLUBで独占インタビューを敢行した。

デビュー作『ザ・ドリーマー』で世界的な注目を集めたあと、このアルバムの制作にあたり、あなたが最も重要に感じていたことはなんでしょうか?

僕はいつもインスピレーションを受ける土地に向かうのだけど、当時はジャイルス・ピーターソンの世界にものすごく影響を受けていた。ロンドンに住んでいた頃は、幸運にも、「プラスティック・ピープル」のようなクラブやワールドワイド・フェスティヴァルで、ムーディーマン、フライング・ロータス、ベンガ、DJ MITSU THE BEATS、テイラー・マクファーリンなどのアーティストを聴いたり、彼らに出逢うことができた。LAのブレインフィーダーのレフトフィールドなビートは素晴らしかったし、ムーディーマンのような伝説的なアーティストやSkream、ベン・ウェストビーチ(現在はブリーチ)、フローティング・ポインツ、マーク・プリチャード、シンバッドなどをフィーチャーしたロンドンのエレクトロ・シーンももちろん素晴らしいものだった。後年アルバム『ラヴ・イン・ア・タイム・オブ・マッドネス』でも表現したように、自分自身のエレクトロ、R&B、ヒップホップの側面をもっと探ってみたかったんだ。ジャズは、トラップ、R&B、ラップ、ポップ、どんなものでも、それぞれの芸術形態への敬意がある限り、共存することができるんだ。

フライング・ロータス、ムーディーマンなど、ビート・メイカーと組んだ狙いは何だったのでしょうか?

二人とも信じられないアーティストだし、天才だよ。ムーディーマンは『ザ・ドリーマー』の「デザイアー」をリミックスしてくれたんだけど、それがものすごく良かったし、名誉なことだった。だから僕は彼とまたコラボしたいと思って、モータウンとハウス・ミュージックの豊かな音楽的伝統に敬意を表して、「デトロイト・ラヴレター」と名付けたんだ。そしてフライング・ロータスも本当に素晴らしかった。彼のサウンドはとても新鮮だった。当時、僕らはかなり親しかったから、たくさんの音楽を共有していたんだ。僕のキャリアの中でとても刺激的な瞬間だったよ。

DJ MITSU THE BEATSに黒田卓也と、本アルバムにはあなたと日本人ミュージシャンとの重要な繋がりも記録されています。

僕の日本での初ライヴは、SOIL & "PIMP" SESSIONSのみどりんと秋田ゴールドマンや、松浦俊夫と沖野修也が一緒だった。中でもMITSUのトラックは特別で、彼のビートに乗せて「プロミス・イン・ラヴ」をあっという間に書いてしまった。タクヤとは一緒にニュースクール大学に通っていたので、当時から彼の演奏を聴いていた。彼とはあれから一緒に世界を旅してきたよ。

東京ザヴィヌルバッハの坪口昌恭さんは本作を「ジャズの新たな扉を開けた作品」と評価しています( https://mikiki.tokyo.jp/articles/-/26065)。あなた自身のキャリアの中で、本作品はどのような意味を持っていますか?

それはすごく嬉しいね。恐縮してしまうよ。モダン・ジャズ・シンガーには、ソングライターであったり、Bボーイであったり、トレンドセッターであったりと、さまざまな側面があるということを人々に示したかったんだ。僕たちはこの音楽をエレクトロのクラブで、DJやドリアン・コンセプトたちと同じラインナップでライヴ演奏していた。“ジャズ”という言葉が時にあまりにも小さく感じられることがあるから、この言葉がどれだけの音楽を意味しているのかを、みんなに思い出してもらう必要があるよね。

今回新たに「ザ・ブルックリン・セッションズ」として、現在のライヴ・バンドで再録音しようとした理由はなんでしょうか?

これらの曲が2020年の今、ライヴ・バンドでどのように聴こえてくるのか興味があったんだ。これらの曲は今でも新鮮で重要なものだから。それに、ファンにユニークで新しいものをプレゼントしたかったんだ。日本のファンのみんなにも愛を込めてね。
 




■リリース情報
ホセ・ジェイムズ
『ブラックマジック 【10thアニヴァーサリー・エディション】』

2020年9月2日(水)発売
UCCU-1646  \2,530 (tax in)
https://store.universal-music.co.jp/product/uccu1646/

 

 

1. コード
2. タッチ
3. レイ・ユー・ダウン
4. プロミス・イン・ラヴ
5. ウォーリアー
6. メイド・フォー・ラヴ
7. セイヴ・ユア・ラヴ・フォー・ミー
8. ザ・グレイター・グッド
9. ブラックマジック
10. デトロイト・ラヴレター
11. ラヴ・カンヴァセーション feat. ジョーダナ・デ・ラヴリー
12. ビューティー
13. ノー・テリン (アイ・ニード・ユー)
14. ザ・ライト
【ボーナス・トラック】
15. ブラックマジック (ブルックリン・セッションズ)
16. メイド・フォー・ラヴ (ブルックリン・セッションズ)
17. セイヴ・ユア・ラヴ・フォー・ミー (ブルックリン・セッションズ)


■リンク
公式サイト  http://www.josejamesmusic.com/
公式YouTubeチャンネル  https://www.youtube.com/channel/UC1U0l2_lid875sL0hGBpcHw
公式インスタグラム  https://www.instagram.com/josejamesmusic/?hl=ja
公式ツイッター  https://twitter.com/josejamesmusic
ユニバーサルミュージック ホセ・ジェイムズ  https://www.universal-music.co.jp/jose-james/