CLUB ECM

Blue Note Records社長ドン・ウォズが選ぶECMのTOP 5 アルバム

1939年、NYでアルフレッド・ライオンが設立し、常に時代のサウンドを作り続け、ジャズを世界に広げてきた最長のジャズ・レーベルのブルーノート。そして、1969年にマンフレート・アイヒャーがドイツのミュンヘンに創設したヨーロッパを代表するレーベルで“静寂の次に美しい音”を追求しつづけるECM。サウンドのみならず、ジャケットにもその独自の世界を築いてきたジャズの2大レーベルといえるだろう。
昨年ブルーノートは設立80周年、そしてECMは50周年を迎えた。
お互いを祝し、現在の社長がお互いのレーベルのアルバムのTOP 5を選んで紹介。

今回は、自身もミュージシャンであり、ローリング・ストーンズなどのプロデューサーとしても活躍する現ブルーノートの社長、ドン・ウォズがECMの作品からお気に入りのTOP 5を選んでくれた。

監修:原 雅明


©Gabi Porter


まずはドン・ウォズが以下のコメントを寄せてくれた。

「マンフレッド・アイヒャーは私のヒーローの一人です。私は10年前からレコード会社の経営に関わりましたが、50年以上もの間、マンフレッドが簡潔な信念を維持してきたことを高く評価し、賞賛します。マンフレッドは自分の美学のために死ぬまで戦う勇気を持った、献身的な先見性の持ち主です。彼がECMで作ったカタログは他に類を見ないもので、5枚のアルバムを選ぶのは不可能な作業です。明日訊かれたら、また別の5枚を挙げるでしょう」


ゲイリー・バートン/チック・コリア – クリスタル・サイレンス (1973年)

初期のレコーディングからゲイリーとチックのファンですが、このデュオによる素晴らしいリリースの第一弾であるこの作品が最初にリリースされた時、私の心は完全に吹き飛ばされました。この二人のテレパシーには目を見張るものがあります。この『クリスタル・サイレンス』は50年前と同じように新鮮で、これまでで最高の演奏を聴かせてくれます。
 


1972年11月6日、オスロにて録音
ゲイリー・バートン(vibraphone) チック・コリア(p) 


チャーリー・ヘイデン、ヤン・ガルバレク、エグベルト・ジスモンチ – マジコ (1979年)

私はチャーリー・ヘイデンを愛していました。彼は美しい人で、ソウルフルで、そしてセンスの良いミュージシャンでした。彼はこのセッティングの中で輝きを放ち、マンフレートとヤン・コングスハウク(ECMのサウンド・エンジニア:2019年11月に他界)はその音色を余すところなく捉えた素晴らしいサウンドを手に入れたのです。彼の演奏から学ぶべきことはたくさんあります! 

1979年6月、オスロにて録音
チャーリー・ヘイデン(b) ヤン・ガルバレク(sax) エグベルト・ジスモンチ(g, p) 




ディノ・サルーシ – アンディーナ (1989年)

ディノ・サルーシはバンドネオンのマエストロ以上の存在です。彼の歌は小さな映像であり、このソロ・パフォーマンスは魅力的な物語を語り、雰囲気をにじませています。雨の降る土曜日の午後にぴったりです。

1988月5月、オスロにて録音
ディノ・サルーシ(bandoneon, fl)




アート・アンサンブル・オブ・シカゴ – ナイス・ガイズ (1979年)

AEC(アート・アンサンブル・オブ・シカゴ)はECMでいくつかの美しいレコードをリリースしていますが、このアルバムが私の一番のお気に入りです。バンドのエキゾチックな本質を捉えた説得力のあるスタジオ・アルバムとなっています。

1978年5月、ルートヴィヒスブルクにて録音
レスター・ボウイ(tp) ジョセフ・ジャーマン(sax, vo, fl, cl) ロスコー・ミッチェル(sax, cl, fl, gong) マラカイ・フェイヴァース(b, perc, melodica) ドン・モイエ(perc)




ジャック・ディジョネット – イン・ムーヴメント (2016年)

ラヴィ・コルトレーンとマシュー・ギャリソンをフィーチャーしたこの絶妙な作品は、ジャックのハーモニックな輝きとリズム感を見事に表現しています。マンフレッドとジェームス・ファーバー(レコーディング/ミキシング・エンジニア)は、ラヴィの音色の優雅さと力強さを見事に捉えています。実際、アルバム全体が音の最高傑作と言えるでしょう。

2015年10月、ニューヨークにて録音
ジャック・ディジョネット(ds, p, perc) ラヴィ・コルトレーン(ts,ss) マシュー・ギャリソン(b, electronics)