COLUMN/INTERVIEW

ECMから2作目となる初のカルテット作品『ヒューマン』をリリースしたシャイ・マエストロにインタビュー 「“完璧”を求めるのはやめた。それは本物ではないから」



 イスラエル・ジャズ、第三世代を代表するピアニスト、シャイ・マエストロ。10年以上拠点を置いたニューヨークを離れ、最も早くワクチン接種の進んでいる故郷のイスラエルで現在自宅のスタジオで音楽を制作している中、新作『ヒューマン』についてインタビューすることができた。

——初のカルテット作品ですが、どういった経緯でカルテットの作品をリリースすることになったのですか?

 「前作のレコーディングの時に『They Went To War』はもうすでにできていてレコーディングもしたのだけどあまりしっくりこず、今回フィリップが参加してくれてレコーディングしてみたら『これを探していたんだ!」と思ったんだ。フィリップは音楽的にも深く理解があり、人間としても心地いい。特にトリオとかカルテットとかを意識して作曲をしているわけではなかったのだけど1年半くらいかけてこの作品はできたんだ」

——本作品のコンセプトは?

 「長い間、私の音楽の中で起こっているプロセスを説明したいと思った。それは人生と音楽の境目をなくすこと。これまではライヴを聴きにコンサートに行くというのは、人生の外にあるような体験だったんだ。私が何を言いたいのか分かるかな。私が演奏して、観客は拍手する伝統的なゲームをしているようだと感じていたんだ。でも、ようやく音楽は本当に人生の一部であることが理解できるようになったんだ。私の人生から音楽を切り離すことはできない。だから電車に乗っていても 私の頭の中には音楽がある。私はコンサートに行っても その自分のままなんだと。パフォーマーではなく。今の私は正直で、本物の何かを皆さんにお届けしたいと思っているので、自分を偽る必要はなく、一人の人間として皆さんにお会いしたいと思っている。音楽は人生の一部であり、人生は音楽の一部なんだ。人生は音楽の中にあり、音楽は人生の中にある、それは本当にそうであると思う。アルバムをレコーディングしたとき、完璧さを求めるのをやめたんだ。フォトショップのバージョンや編集されたバージョンのようなものを探すのもやめた。なぜなら、それは本物ではないからだ。そして私は言ったんだ、私はむしろリアルなものを見せたいって。その中には多くの大事なことがあるはずだと」
 



——マンフレート・アイヒャーはどんな人ですか?

「彼はものすごく気配りもできて鋭いリスナーの一人であり、地に足の着いた素晴らしいプロデューサー。彼は50年の間に1,000枚以上のレコードをECMでプロデュースしてきたんじゃないかな?彼は、『タイム』という曲を聴いてすぐ、この曲はアルバムの冒頭がいいとすぐ指示してくれた。日の出のようにゆっくりと太陽が輝き、息をする機会を与えてくれる曲で、一緒にこれから出る旅を期待させてくれるとアドヴァイスしてくれたんだ」

——今後の予定は?

「コンサート出来るようになったら日本にツアーに行きたい。実は映画のスコアやエレクトロ・ミュージックにもいま取り組んでいて、新しいキャリアをスタートさせている途中。それらも今後は並行してやっていきたいと思っている。次の作品のアイディアも浮かびつつあるんだ」



■作品情報
シャイ・マエストロ 『ヒューマン』

発売中
https://jazz.lnk.to/ShaiMaestro_HumanEC

Human (lnk.to)
01. タイム 
02. ミステリー・アンド・イリュージョンズ
03. ヒューマン
04.  GG
05. ザ・シーフズ・ドリーム
06. ハンク・アンド・チャーリー
07. コンパッション
08. プレイヤー
09. ゼイ・ウェント・トゥ・ウォー
10. イン・ア・センチメンタル・ムード
11.イマ (フォー・タルマ・マエストロ)


■シャイ・マエストロ各種リンク
ユニバーサル ミュージック
https://www.universal-music.co.jp/shai-maestro/
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