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ECM artists talking about ECM #7

2019年に創立50周年企画を迎えたECMレーベル。その所属のアーティストにECMについて語ってもらう「ECM artists talking about ECM」。久々になる第7回目はベースレス・トリオ、トリオ・タペストリーのECM第2弾作品『Garden of Expression』をリリースしたばかりのヴェテラン・テナー・サックス奏者、ジョー・ロヴァーノ。

 



■My Favorite ECM Album
キース・ジャレット『フェイシング・ユー (原題:Facing You)』


キース・ジャレットの最初のソロ・ピアノ・レコーディングだったと思うんだけど、ECMの初期リリースで、素晴らしい美しさを持っているんだ。




■ECMと契約したきっかけ
私はブルーノート・レコードと1990年から2015年まで7枚のレコード契約3回結んでおり、最後のリリースは2015年のニューポートでのライヴ・アルバムだった(ハンク・ジョーンズ(p)、ジョージ・ムラーズ(b)、ルイス・ナッシュ(ds)とのカルテット)のだけど、契約が終わって少しの間はただゆっくりリラックスしたくてレコーディングはしなかったんだ。でもいろいろ物事が落ち着いてきて、気づいたら私はECMのマンフレート・アイヒャーと接触していた。彼は僕の新しいプロジェクトのアイデアをいくつか受け入れてくれたんだ。マリリン・クリスペルとカルメン・カスタルディとは、少し時間が経ってからECMのレコーディングを始めたんだ。




■あなたにとってマンフレート・アイヒャーとは?
そうですね.........彼は音楽に対する深い情熱と愛情を持っている人で、音楽の世界に対する愛情を持っていて、本当に素晴らしいリスナーだ。そして、彼は非常に優れたレコーディング名人。エグゼクティヴとしてだけでなく、ポスト・プロダクションにおいても非常に優れている。彼はスタジオを熟知しているし、ポスト・プロダクションのことも熟知している。
スタジオを熟知しているし、みんながどう感じるかも熟知していて、例えばマンフレートのプレイバックを聴いていると、彼はコントロールをしていて、音楽をとても良い音にし、生き生きとしていて美しいものにしていく。彼はずっとそうしてきて、とても献身的だからECMは50周年を迎えることができた。彼がこのレーベルを始めたのは1969年。ブルーノート・レコードは1939年に始まり、今でも健在だ。マンフレートはブルーノート・レコード、インパルス・レコード、アトランティック・レコードといったアメリカのジャズ・レーベルを僕らと同じように聴いて育ったんだ。彼はそれらにインスパイアされて自分のレーベルを作った。でも彼は違う雰囲気を作りたかったんだと思う。
というのは、ブルーノート・レコードはナイト・クラブのサウンドだと私は思っている。ECMはどちらかというとリサイタル・ホールの音、コンサート・ホールのサウンドだ。でも音楽的にはミュージシャンの創造的なアイデアが大事なんだ。それがブルーノート・レコードをあるべき姿にし、ECMレコードをあるべき姿にしているんだ。


■未来のECMは?
ええと...それは難しい質問だと思うんだけど......ミュージシャン次第だと思うんだ。
ECMのようなレーベルはミュージシャンの成長を記録するために存在しているんだ、僕は今2枚もレコードをここから出すことができてとても幸運だと思っている。
エンリコ・ラヴァとのセッションにも参加できたし、マルチン・ボシレフスキ・トリオともまたコンサートできるようになったらコンサートをする予定なんだ。
レーベルは、ミュージシャンの言いたいことを記録するためにあるようなものだと思うんだ。そして、ECMがその旅を続けてくれることを期待している。
ただ人気のあるものだけを録音する商業的なレーベルではなくて。
ECMはアルバムを作るというのではなくて、手を伸ばすミュージシャンを録音したり、記録したりしていると言えるだろう。
マンフレートについて知っていることの一つは、彼は後世の人々にインスピレーションを与えられるような音楽を記録したいと考えているということ。
そういった話を何度かしたことがあるんだけど、レコード会社の重役でもありプロデューサーでもある彼がそのように話すことにとても刺激を受けるよ。美しいヴィジョンを持っている、とても稀な存在の人だ。

(作品情報)

ジョー・ロヴァーノ『Garden of Expression』
発売中

https://jazz.lnk.to/JoeLavano_GoEPR