ピアニスト、キース・ジャレットの未発表クラシック録音『C.P.E. バッハ:ヴュルテンベルク・ソナタ集』が7月5日(水)に日本盤リリースされる。

 

C.P.E.バッハの「ヴュルテンベルク・ソナタ」は、1742年から43年にかけて書かれ、ベルリンのフリードリヒ大王の宮廷でC.P.E.バッハに師事したヴュルテンベルク公爵カール・オイゲンに捧げられました。1744年に出版され、バロックと古典派の間の時代を代表する音楽的傑作とされている。

 

1994年5月に自宅スタジオで録音され約30年間眠っていた今回の録音は、「ヴュルテンベルク・ソナタ」全6曲を収録。「チェンバロ奏者による『ヴュルテンベルク・ソナタ』を聴いて、ピアノ版のための可能性が残されていると感じた」とジャレットはコメントしている。初期C.P.E.バッハ作品の特質である、音楽の穏やかな遊び心、微妙で突然のテンポの変化、並外れた波打つような発明…これらすべてのソナタの表現的な意味合いを、現代最高峰の即興演奏家でもあるキース・ジャレットは瞬時に同調し見事に表現している。

 

キースが本作を録音したのは、C.P.E.バッハの父親であるJ.S.バッハの音楽を好んで演奏していた時期のことで、『J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻』(1987年2月録音)、『J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲』(1989年1月録音)、『J.S.バッハ:フランス組曲』、キム・カシュカシャンとの『J.S.バッハ:ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ集』(ともに1991年9月録音)といったアルバムがECM NEW SERIESから過去に発表されている。

 

これと並行して、キースはゲイリー・ピーコック、ジャック・ディジョネットとの通称スタンダーズ・トリオで活動を継続しており、ジャズ・ピアニストとしても円熟期を迎えていた。本作の録音からわずか3週間後には、このトリオはニューヨーク・ブルーノートで歴史的な3夜連続公演を行い、その演奏は6枚組CDボックス『アット・ザ・ブルーノート:ザ・コンプリート・レコーディング』として発表された。

 

アルバム・リリースに先駆けて、「ソナタ 第1番 イ短調 1. Moderato」が先行配信されている。

 

 


 

【リリース情報】

キース・ジャレット『C.P.E. バッハ:ヴュルテンベルク・ソナタ集』

2023年7月5日リリース

SHM-CD:UCCE-2104/5 ¥5,280(税込)

 

CD 1

1-3. ソナタ 第1番 イ短調

4-6. ソナタ 第2番 変イ長調

7-9. ソナタ 第3番 ホ短調

 

CD 2

1-3. ソナタ 第4番 変ロ長調

4-6. ソナタ 第5番 変ホ長調

7-9. ソナタ 第6番 ロ短調

 

キース・ジャレット(ピアノ)

録音:1994年5月 ケイヴライト・スタジオ