全米ジャズ・チャート1位をはじめ、世界的に大ヒット中のジョン・コルトレーンの未発表スタジオ・アルバム『ブルー・ワールド~ザ・ロスト・サウンドトラック』。
カナダのフランス語映画『袋の中の猫』のために録音された、コルトレーンにとって生涯唯一の映画音楽用のセッションで、1964年の録音から55年の時を経てアルバム化された、全ジャズ・ファン注目の作品である。
息子であり、本作でもエグゼクティヴ・プロデューサーとして名を連ねるサックス奏者のラヴィ・コルトレーンの最新インタビュー・コメントを2回に分けてお届けする。


●黄金のカルテットの誕生
ディジー・ガレスピーやR&Bのグループ、最初のメジャーな仕事であるマイルス・デイヴィスのもとで働いていた頃、ジョンはサイドマンとして実にユニークな育成を受けました。その影響は、初期のレコードの多くに表れています。

彼は自分自身を形成する前に、自身のグループを結成しました。当時はまだ、共演した他のあらゆる音楽的文脈からの借りものでした。アトランティック在籍時もこの探求の時代にあり、その間にマッコイとエルヴィンと出会います。

実にゆっくりとしたプロセスで、このコア・バンドは一丸となって進化します。エルヴィンのドラムへのアプローチは、ジョンが以前に雇っていたドラマーとは全く異なっていて、ジョンに何かを開眼させました。彼の即興演奏能力と、マッコイのハーモニーの開放性により、ジョンはさらに前進することができたのです。そしてジミーは彼ら全員のために素晴らしい接着剤の役割を務めました。

彼らは全員が非常に強固な基盤であり、互いに独立しつつも完全に繋がっています。彼らは一丸となって世界を変えました。彼らはこれまで存在しなかったサウンドを革新しました。4人が一丸となって実現したのです。あらゆるバンドは今日もそのように演奏しようとしています。


●『ザ・ロスト・アルバム』との比較
『ザ・ロスト・アルバム』は他に類を見ないアルバムです。彼らがその日に録音したのはA面とB面のようなものです。ジョンがリリースを考えていたかどうかにかかわらず、完璧なAサイド、完璧なBサイドに十分な意図を持って録音されています。

バンドはちょうどNYのバードランドで2週間のギグを行っていましたが、『ザ・ロスト・アルバム』が録音された日は、その週の後半に行うジョニー・ハートマンとの録音のウォーミングアップやサウンドチェックに使うつもりでした。

『ブルー・ワールド~ザ・ロスト・サウンドトラック』では、ジョンがキャリアの初期に録音した楽曲や、最も愛されるジョンのオリジナルのひとつである「ナイーマ」の別ヴァージョンを聴けるのが素晴らしいです。『至上の愛』と同じ64年に、黄金のカルテットで録音したものを聴けるとは、ちょっとした神の啓示です。


●ジョン・コルトレーンの遺産
まさに本物です。素晴らしい。私たちは皆、ジョン・コルトレーンについて自分たちが感じていることを理解しています。彼が亡くなってから50年が経ちました。『ブルー・ワールド~ザ・ロスト・サウンドトラック』は、その男が持っていた真のビジョンの新たな証明です。

彼はとんでもなく素晴らしいサックス奏者で、楽器を持って演奏する史上最高の一人ですが、それだけでなく信じられないほどのクリエーターでした。たいへんなコンセプチュアリストで、その精神は今日も共鳴し続けています。

ジョン・コルトレーンのファンに、『ブルー・ワールド~ザ・ロスト・サウンドトラック』の音楽は刺激を与えるでしょうね。 そして新しいリスナーにとっては、世界史上最高の一人との素晴らしい出会いとなることでしょう。

 

 

■リリース情報
ジョン・コルトレーン
『ブルー・ワールド~ザ・ロスト・サウンドトラック』

NOW ON SALE
SHM-CD: UCCI-1046  \2,400 (+tax)
購入・試聴はこちら https://jazz.lnk.to/jc_tlsNL

収録曲
1. ナイーマ (テイク1)
2. ヴィレッジ・ブルース (テイク2)
3. ブルー・ワールド
4. ヴィレッジ・ブルース (テイク1)
5. ヴィレッジ・ブルース (テイク3)
6. ライク・ソニー
7. トレーニング・イン
8. ナイーマ (テイク2)

ジョン・コルトレーン(ts) マッコイ・タイナー(p) ジミー・ギャリソン(b) エルヴィン・ジョーンズ(ds)
★1964年6月24日、ニュージャージー、ヴァン・ゲルダー・スタジオにて録音

ジョン・コルトレーン『ブルー・ワールド~ザ・ロスト・サウンドトラック』ティザー映像

 



■Link
ユニバーサルミュージック ジョン・コルトレーン サイト https://www.universal-music.co.jp/john-coltrane/
ジョン・コルトレーン公式サイト(英語) https://www.johncoltrane.com/