若くしてグラミー賞ノミネート11回、受賞5回。2023年8月の来日公演や、サマーソニックでの星野源との共演などでも大きな盛り上がりを呼んだジェイコブ・コリアー。ニューヨーク・タイムズ誌に「Z世代のカラフルなモーツァルト」と絶賛されるなど各所で大きな話題を集め、ソングライティング、アレンジメント、演奏テクニック、音楽理論とあらゆる面でオーディエンスのみならず多くのミュージシャンをも圧倒する。
そんな彼が待望のニュー・アルバム『ジェシー Vol. 4』を2024年3月1日にリリースすることが決定。ジェイコブが2018年からスタートさせた「ジェシー・プロジェクト」四部作のフィナーレを飾る作品。グラミー賞を3度受賞、そしてアルバム・オブ・ザ・イヤーにもノミネートされるなど大きな反響を呼んだ過去三作で探求された音楽的な要素も反映させつつ、人間の感情を表現するという部分にコンセプトが置かれており、今や彼の代名詞となった、コンサートでのオーディエンス・クワイアのような人間の声の力を祝福するような内容となっている。世界各国のアーティストや音楽を網羅した、まさにプロジェクトの集大成となるような大注目の一枚だ。アートワークは、複雑且つ幻想的なガラス彫刻やコラージュ作品で知られるブルックリンのアーティスト、ダスティン・イェリンが担当している。
注目すべきはフィーチャリング勢で、既にシングルが発表されているショーン・メンデス、ストームジー、カーク・フランクリン、マイケル・マクドナルド、ローレンス、ブランディ・カーライル、ジョン・メイヤー、リジー・マカルパイン、カミーロに加え、クリス・マーティン、aespa、ジョン・レジェンド、マディソン・カニングハム、クリス・シーリー、トリー・ケリー、D・スモーク、アヌーシュカ・シャンカール、スティーヴ・ヴァイなど、あらゆるジャンルからこれ以上ない超豪華ミュージシャンたちがゲスト参加しており、ジェイコブがこの5年間で歩んだ音楽の旅路を祝福している。壮大な冒険だった「ジェシー・プロジェクト」の締めくくりにふさわしい、全世界大注目の作品だ。
アルバムについて、ジェイコブは「5年前、自分ひとりで始めた音楽の旅をきっかけに、4作にも及ぶコラボレーション・アルバムという大きな夢を持って、僕は音楽と人生について最も偉大なヒーローだちから学ぶという壮大な冒険に旅立ったんだ。そして今回の『ジェシー Vol. 4』は、あらゆる意味で僕が30年かけて作り上げたアルバムと言える。この作品は僕にとって、世界各地のミュージシャンと作り上げた、人間への祝福のようなものなんだ。この実験の集大成として、10万人のオーディエンス・クワイアのようにこのアルバムの核心を成すサウンドを見つけることが出来たと思う。僕の声はまわりの人々の声と同じだし、みんながこの音楽というタペストリーの一部だということ。そして何よりも、このアルバムを作ることで、人生は魔法に満ちているということを思い出すことが出来たんだ」と語っている。
ここでは現時点でリリースされている楽曲についての情報をまとめている。もう一度おさらいしつつ、アルバムのリリースを楽しみに待ちたい。
ネヴァー・ゴナ・ビー・アローン (feat. ジョン・メイヤー&リジー・マカルパイン)
共作&ゲスト・ヴォーカルにリジー・マカルパイン、そしてギターでジョン・メイヤーを迎えた1曲。ピアノやギター、コーラス・ワークはもちろんのこと、フレンチ・ホーンやゴング、ウィンド・チャイムまで駆使して壮大な音世界を創り上げている。ジェイコブとのコラボによる「erase me」でも話題を呼んだリジー・マカルパインが「もう独りになることはない」というメッセージを込めたメロディを歌い上げ、現代のギター・ヒーローであるジョン・メイヤーがエモーショナルなソロを披露。その後2度の転調を経てクライマックスへ向かっていく様子は圧倒的で、ジェイコブの作曲能力・アレンジ能力が一段と進化を遂げていることを実感できる仕上がりだ。
楽曲について、ジェイコブは「これは昨年のロックダウンの中で、僕の大切な友人のリジー・マカルパインと一緒に書いた曲なんだ。孤独や喪失、記憶といった感情の世界を、現実と想像の境界線を曖昧にしながら、柔らかなオーケストラサウンドのタペストリーを繋ぎ合わせて探求してみたかった。この曲を作ることで、世界は非常に美しく壊れやすい場所だという僕の思いを表現できたし、僕たちが過去や未来に対して感じている悲しみを、いろんな方法で昇華していくことができたんだ」と語っている。
WELLLL
2023年6月に出演したグラストンベリーで初めてお披露目されたトラック。これまでも自身の作品であらゆる音楽性をアウトプットしてきたジェイコブだが、今回はギターを主体としたアンセミックなロック・チューンという新たな一面を披露。キャッチーなメロディと重厚なコーラスで迫るサウンド・メイキング、中盤での意外な展開など様々な要素が2分半に詰め込まれた、これぞジェイコブという1曲だ。
楽曲について、ジェイコブは「うーん、なんて言ったらいいかな。この曲はカタルシスのコラージュのようなもので、僕がこれまでやってこなかったような多くの音楽的な要素が集まったもの。ストランドバーグのカスタム・デザインの5弦ギターを使って、子どもの頃に好きだったロックを思い出すような内容になったよ。子どもの頃の心を忘れないこと、ワイルドでいること、そして自分の心の声を聞くことの大切さについて歌った曲なんだ」と語っている。
リトル・ブルー (feat. ブランディ・カーライル)
冒頭のキャッチーなメロディが強い印象を残すバラード。ゲスト・ヴォーカルには、グラミー賞を3度受賞し、2022年にニューポート・フォーク・フェスティヴァルで行われたジョニ・ミッチェルの感動的な復活ライヴの中心人物としても大きな話題を呼んだブランディ・カーライルを迎え、楽曲に拡がりを持たせることに成功している。
今回の楽曲について、ブランディは「この曲はとても素晴らしく、ジェイコブは世代を超えた才能の持ち主です。恥ずかしくなるほどいつも彼のことをチェックしているし、心が折れそうになるほど美しい彼の音楽を研究していますが、今回自分が彼の創作の一部になれるなんて、素晴らしい運命のいたずらです」とコメントしている。
ミュージック・ビデオの監督は伊藤聖也が担当。ジェイコブ本人の希望で日本にて撮影・制作され、折り紙やペーパークラフトで出来た世界の中でジェイコブ自身が海や森の中をさすらうというユニークな内容になっている。楽曲の世界観を美しく表現し、密かに日本らしさも散りばめられているという必見の仕上がりだ。
ホエアエヴァー・アイ・ゴー (feat. マイケル・マクドナルド&ローレンス)
いかにもジェイコブ的であるカラフルなイントロから、1970年代を思わせるエレクトリック・ピアノに導かれキャッチーなメロディが続くミドル・ナンバー。ゲスト・ヴォーカルには、ニューヨーク発の兄妹バンドであるローレンスと、AOR/ソウルのレジェンドであるマイケル・マクドナルドがフィーチャーされている。当時のソウル/R&Bに敬意を払いつつ、それらと現代のサウンドを見事に融合させた必聴の仕上がりだ。
ウィットネス・ミー (feat. ショーン・メンデス、ストームジー&カーク・フランクリン)
ジェイコブ自身のヴォーカルで幕を開けるミドル・バラードで、ショーン・メンデス、ストームジー、そしてカーク・フランクリンという超豪華コラボレーションとなった1曲。ジェイコブからショーン・メンデスにヴォーカルのバトンが渡され、インタールードをストームジーによる力強いリリックが満たすという完璧な流れの中、一貫して「僕は君と共にいる」、「僕を見て」という暖かなメッセージが伝えられている。さらにはカーク・フランクリン率いるゴスペル・クワイアもフィーチャーされており、「witness me」、「have mercy on ‘em lord」といったゴスペルを思わせる歌詞も散りばめられている。ショーン・メンデスの圧巻なポップネス、ストームジーの力強さ、ゴスペルの祝祭感、そしてジェイコブの優しいヴォーカルと完璧な作編曲、全てが絶妙なバランスで成り立っている。
楽曲について、ジェイコブは「この曲は、2021年にショーンと僕がマリブで会ったときに始まった。ゴスペル音楽への愛や、誰かへ届ける音楽を作ることへの愛で僕たちは結ばれたんだ。それから数ヶ月間、僕はこの曲のデモに取り組んで、カークと彼の素晴らしいシンガーたちと1日仕事をするためにテキサス州アーリントンにある彼の家を訪れた。そのセッションで、デモは本格的な楽曲に生まれ変わり、僕はそれをストームジーに送り、彼にしか出来ないマジックをかけてもらったんだ。 この曲は僕にとって大きな意味を持つもので、この曲を作っていた2年間は僕にたくさんの希望と温かさをもたらしてくれた。世界中に数え切れないほどの分断的な勢力が存在している今、この曲が、人々が団結し、互いを認め合い、支え合い、あらゆる人の人生を見届ける力を思い起こさせるものとして機能することを願っているよ」と語っている。
また、ショーン・メンデスは今回の参加について「この曲をみんなと分かち合えてとても幸せだよ。ジェイコブ、ストームジー、そしてカークは僕がずっと尊敬しているアーティストだし、この美しい楽曲に参加出来てとても光栄だ。みんなが気に入ってくれることを願っているよ!」とコメントしている。
ミ・コラソン (feat. カミーロ)
ラテン界の大スターであり、昨年のサマーソニックでの来日も話題を呼んだカミーロと制作した1曲。予想外のコラボレーションだが、昨年のサマーソニックで初めて出会ってから意気投合し、本曲の制作に至ったという。甘くソフトなヴァース部分と、ビートの効いたシンプルなコーラス部分の対比が印象的な仕上がりだ。ミュージック・ビデオの後半では、2人の制作風景も覗き見ることが出来る。
今回の楽曲について、ジェイコブは「カミーロは間違いなく、地球上で僕の大好きな人間の1人だよ。まだ3回しか会ってないのに、本当に兄弟みたいな感じなんだ。昨年の8月に偶然にも東京で初めて会ったとき、僕たちはすぐに意気投合し、親しい友人となった。1か月後、僕たちはロサンゼルスに集まってセッションし、何が出来るかを試してみたんだ。その結果この曲が生まれ、僕たち2人はとてもエキサイトしたよ。それから数か月後、ミュージック・ビデオを撮影するために会ったとき、僕たち2人は永遠に友だちだと思うようになったんだ。この曲をリリースすることが出来て嬉しいよ!」と語っている。
【最新リリース情報】
ジェイコブ・コリアー AL『ジェシー Vol. 4』
2024年3月1日発売 UCCM-1273 SHM-CD ¥2,860 (税込)
https://Jacob-Collier.lnk.to/DjesseVol.4
01. 100,000ヴォイセズ
02. シー・プット・サンシャイン
03. リトル・ブルー (feat. ブランディ・カーライル)
04. WELLLL
05. シナモン・クラッシュ (feat. リンジー・ロミス)
06. ホエアエヴァー・アイ・ゴー (feat. ローレンス&マイケル・マクドナルド)
07. サマー・レイン (feat. マディソン・カニングハム&クリス・シーリー)
08. ア・ロック・サムホエア (feat. アヌーシュカ・シャンカール&ヴァリジャシュリー・ヴェヌゴパル)
09. ミ・コラソン (feat. カミーロ)
10. ウィットネス・ミー (feat. ショーン・メンデス、ストームジー&カーク・フランクリン)
11. ネヴァー・ゴナ・ビー・アローン (feat. リジ―・マカルパイン&ジョン・メイヤー)
12. 明日に架ける橋 (feat. ジョン・レジェンド&トリー・ケリー)
13. オーヴァー・ユー (feat. エスパ&クリス・マーティン)
14. ボックス・オブ・スターズ Pt. 1 (feat. カーク・フランクリン、CHIKA、D・スモーク、ショー・マジョジ、イェル&カニイ・マヴィ)
15. ボックス・オブ・スターズ Pt. 2 (feat. メトロポール・オーケストラ、スージー・コリアー、スティーヴ・ヴァイ&ヴォ―チェス8)
16. ワールド・オー・ワールド
17. リトル・ブルー (マホガニー・セッションズ) ※日本盤限定ボーナス・トラック