グラミー・アーティストのアルージ・アフタブが、ソロ名義としてのアルバム『ナイト・レイン』を5月31日にリリースすることとなった。先行シングルとして、「夜の女王(原題:Raat Ki Rani)」の配信、ミュージック・ビデオの公開がスタートしている。
パキスタン出身、ニューヨークのブルックリン在住のシンガー・ソングライター、アルージ・アフタブ。2021年にリリースしたアルバム『Vulture Prince』はピッチフォークから「アルージの力強い歌声は骨に染み入るほど深い悲しみに満ちている」と評され、大きな注目を集めた。このアルバムは文化的な変化への一助となり、南アジアの伝統音楽はより大きな現代音楽というフィールドに移行した。『Vulture Prince』はエルヴィス・コステロやオバマ元大統領からも多大なる評価をされ、第64回グラミー賞最優秀新人賞にノミネート、最優秀グローバル・ミュージック・パフォーマンス賞を受賞した。なお、この受賞でアルージはグラミー賞を受賞した初のパキスタン人アーティストとなった。
翌年リリースした『Vulture Prince Deluxe Edition』では、Anoushka Shankarをフィーチャーした「Udhero Na」で第65回グラミー賞にて最優秀グローバル・ミュージック・パフォーマンス賞に2年連続のノミネート。
2023年にはヴィジェイ・アイヤー、シャザード・イズマイリーとの共作『Love In Exile』をリリース。このアルバムでは第66回グラミー賞最優秀オルタナティブ・ジャズ・アルバム賞と最優秀グローバル・ミュージック・パフォーマンス賞の2部門でノミネートされた。
そんな彼女が満を持してソロ名義でリリースをすることとなった今作「ナイト・レイン」は、「夜」に焦点を当てた9曲入りの作品。彼女は自身の歌声とストーリーを通して、夜という暗闇になってから現れる、「恋」、「孤独」、「内省」等の多面的な感情を掘り下げている。
今作は、フルートを演奏したコーシャス・クレイ、世界がいかに残酷であるかという感情をアルージとともに共鳴したムーア・マザー、9曲目の「大地(原題:Zameen)」でフィーチャーしたチョコレート・ジーニアス、といった比較的近年アルージと知り合ったミュージシャンが参加。また、長年アルージと曲を共にしているペトロス・クランパニス、メイヴ・ギルクリストは今作にも参加。
様々なアーティストとともに化学反応を引き起こして産まれた音楽は、伝統から脱却し、音楽的再発見が多く感じられる美しい作品に仕上がった。
先行シングルの「夜の女王(原題:Raat Ki Rani)」はアルバム「ナイト・レイン」の序章となっている。ピアノ、ドラムという土台の上でアルージのエモーショナルな歌声が夜に響き、ハープとチューバがこの曲を、そして聴いた人々をさらに幻想的な世界へと導く。はかないロマンスの中で、胸を高ぶらせる感情を映画のように表現した。
タイトルの「Raat Ki Rani」は夜にしか咲かないジャスミンの花の名前であり、別名「夜の女王」という意味を持っている。アルージは今回オートチューンを初めて使用し、その歌声はまさに「夜の女王」を想起させた。ミュージック・ビデオの監督は今作が初監督作品となる、女優のテッサ・トンプソンが務めている。
「夜の女王(原題:Raat Ki Rani)」についてアルージは、
「美しいガーデン・パーティーの中で、魅力、人を引き付ける力、カリスマ性を放つ人物の物語です。夜の女王との交流は考えられません。時には視線を交わすだけで十分、と思わなければなりません。」と語る。
アルージの15年にわたるニューヨークで生活した経験と、自分自身に忠実であり続けようとする姿勢により、今作は作られた。
心の広さ、率直さ、そしてウィットで、アルージは時に私たちに寄り添ってくれる。
類まれなる歌唱力で様々な「夜」を表現する今作、是非酔いしれてほしい。
【リリース情報】
アルージ・アフタブ AL『ナイト・レイン』
2024年5月31日発売
SHM-CD:UCCV-1199 ¥2,860(税込)
https://Arooj-Aftab.lnk.to/NightReign
01. 彼はこない
02. 花でなく
03. 枯葉 feat. ジェイムズ・フランシーズ
04. 話してよ feat. ムーア・マザー、ジョエル・ロス
05. 恋人 feat. ヴィジェイ・アイヤー
06. 月のように feat. コーシャス・クレイ、カーキ・キング、メイヴ・ギルクスト
07. 夜の女王
08. ウイスキー
09. 大地 feat. チョコレート・ジーニアス
〈パーソネル〉
アルージ・アフタブ(vo)、カーキ・キング(g, gryphon)、ヴィジェイ・アイヤー(p)、ジェイムズ・フランシーズ(juno, rhodes)、ジョエル・ロス(vib)、コーシャス・クレイ(fl)、チョコレート・ジーニアス(p, b, syn, strings)、ムーア・マザー(voice)、メイヴ・ギルクリスト(harp)、ペトロス・クランパニス(bass, p) 他
【アルージ・アフタブ プロフィール】
パキスタン出身。バークリー音楽大学を卒業し現在はニューヨークを拠点に活動。これまでテリー・ライリーやアビダ・パルヴェーンなどの楽曲を演奏し、リンカーン・センター、ル・ポワソン・ルージュ、ニューヨーク近代美術館などで演奏を重ねてきた。2018年に発表した「Lullaby」は、NPR「21世紀を生きる女性による最優秀楽曲」、NYタイムズ紙「ベスト・クラシカル・ミュージック・トラックス・オブ・2018」に選出。クラシックのミニマリズムとニューエイジ、エレクトロニック・トランス、ジャズの間を浮遊するような音楽が特徴である。2021年にはアルバム「Vulture Prince」をリリース。同アルバムはピッチフォーク、NPR、ペーストの「ベスト・オブ・2021」に選出された。また、NYタイムズ紙は「パキスタンに生まれ、現在はブルックリンに住むアロージ・アフタブは、古代の詩の形式であるガザルを西洋に向けて発信している。この歌は2つの世界の架け橋ではなく、独自の世界を創り出している。」とレヴューで絶賛。バラク・オバマ元大統領が発表した「サマー・2021・プレイリスト」に『Vulture Prince』から「Mohabbat」が選出され話題を集めた。第64回グラミー賞では、最優秀グローバル・ミュージック・パフォーマンス賞を受賞、その後2022年ヴァーヴ・レコードと契約。
【アルージ・アフタブ 各種リンク】
UM公式:https://www.universal-music.co.jp/arooj-aftab/
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