ジャズ史上最大のカリスマであるサックス奏者のジョン・コルトレーンが、1961年8月にニューヨークのジャズ・クラブ「ヴィレッジ・ゲイト」にて行ったライヴの完全未発表音源が発掘され、アルバム『ヴィレッジ・ゲイトの夜 (原題:Evening at the Village Gate)』として7月14日(金)にインパルス・レーベルより全世界リリースされる。そして、本日先行シングルとして「インプレッションズ」が配信スタートした。
1961年夏、ジョン・コルトレーンは、マッコイ・タイナー、レジー・ワークマン、エルヴィン・ジョーンズにエリック・ドルフィーを加えたクインテット編成で「ヴィレッジ・ゲイト」に1ヵ月間出演。コルトレーンとドルフィーはお互いがまだ無名であった1954年にロサンゼルスで出会い、その後ドルフィーが1959年にニューヨークに移ったときに友情が再燃。1961年初頭には、コルトレーンが自身のグループにドルフィーを迎え入れた。ドルフィーの鮮やかで鋭く表現力豊かな演奏と、コルトレーンの滑らかで重量感のあるフレージングとのコンビネーションは、最先端のサウンドとして当時のジャズ・シーンに大きな衝撃を与えた。
エリック・ドルフィー参加のコルトレーンのライヴ録音は、1961年11月の「ヴィレッジ・ヴァンガード」におけるものが有名だが、本作はそれから3ヵ月前の同年8月の録音。収録曲は、コルトレーンの代表的レパートリーである「マイ・フェイヴァリット・シングス」、「インプレッションズ」、「グリーンスリーヴス」に加え、エリック・ドルフィーのバス・クラリネットが光る「ホエン・ライツ・アー・ロウ」、そしてライヴ音源としては初登場となるコルトレーン作曲の「アフリカ」の5曲。
この貴重な音源は、1961年当時、新しい音響システムのテストの一環としてエンジニアのリッチ・アルダーソンによって録音。その後、テープが行方不明になっていたが、近年、ニューヨーク公共図書館にて発見された。コルトレーンとドルフィーの組み合わせから発せられる創造的で変革的なスピリット、そして短命に終わったクインテットの音楽的成果を余すところなく捉えている。
アルバムのCDブックレットには、このライヴに参加したベーシストのレジー・ワークマンと録音エンジニアのリッチ・アルダーソン、さらに、音楽史家のアシュリー・カーンやサックス奏者のブランフォード・マルサリスとレイクシア・ベンジャミンが寄稿した洞察に富んだエッセイが収録される。日本盤は、SHM-CDとSA-CD ~SHM仕様~の2形態でリリースされる。
【リリース情報】
ジョン・コルトレーン『ヴィレッジ・ゲイトの夜』
2023年7月14日(金)リリース
SHM-CD:UCCI-1058 ¥2,640(税込)
https://John-Coltrane.lnk.to/Impressions_Live
1. マイ・フェイヴァリット・シングス
2. ホエン・ライツ・アー・ロウ
3. インプレッションズ
4. グリーンスリーヴス
5. アフリカ
ジョン・コルトレーン(ss, ts)
エリック・ドルフィー(fl, b-cl, as)
マッコイ・タイナー(p)
レジ―・ワークマン(b)
アート・デイヴィス(b) on アフリカ
エルヴィン・ジョーンズ(ds)
★1961年8月、ニューヨーク、ヴィレッジ・ゲイトにてライヴ録音
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